社交ダンスに限らず、大切なのは、
「なにが正しいのか?」を追求する
ことではなく、
「その人の根底にある本質」を見抜く
こと...のような気がする。
一人一人に「その人の理」があり、
その「理」が築き上げられた根底には
「その人の"本質"」が存在する。
この本。書いた著者の「本質」が
わりと簡単に見えてくるので
すごく勉強になります。
で、特に、わかりやすいのが、この例
「左膝を持ち上げる」動作によって、
左足の向きが、大きく左に回転し(ほぼ90度?)
胸(みぞおち)が、激しく左に移動している
...ように見えます。
「ニーアップ」によって、
どのようにカラダの変化させれば、
円弧を描いた「タンゴウォーク」が出来るか?
ということに対する、断固たる「理」が存在し
それに対する、その人の「本質」が出てくる。
真似して見ればわかるけど、この絵では、
左膝の「ニーアップ」と同時に、
おそらく背骨を「回転の軸」として、
左胸が、ビューーーーッと左に動いている。
当然のことですが、著者には、
「これこそタンゴのウォーク」だという
必然の「理」があり、
その根底には、著者の「本質」がある。
じゃぁ、「著者の本質」は、何か???
これを見抜けるかどうかが、上達のヒント。
著者は、肩と肩甲骨回りの筋肉を使って
「筋肉の力で、両肘を真横に持ち上げる」
と言う方法で、ホールドを作っているはず。
そうすることで、膝を持ち上げた時、
左足の向きが、大きく左に回転して、
胸がぶぉぉっーーと左に動いて、
ボディ全体が回転する。
これが、「左回りの円弧を描く」という
タンゴウォークに対する「著者の理」。
ほんとうに、それが「本質」なのか?
検証のため、イギリス人と比較してみる。
イギリス人のマーカスヒルトンのように、
手首に引っ張られるようにして
両肘が、持ち上がってきて、
肘を曲げると、肘の位置がロックされる
・・・という方法をとった場合には、
左の膝を持ち上げても、
左足はほとんど回転しない。
これが、「世界を制した日本人」と
ヒルトンとの本質的な違い。
ここで、ものすごく重要なこと!!!
なぜ、日本人が、世界を制することが出来たのか?
西洋人には「スリップ・バック」させると
内股になる....という発想がない。
そもそも、ヒルトンのホールドでは、
どんな方法でスリップバックさせても
内股にはならない。
左足に巻き着くように、右足が下がる。
この著者を含めて、日本人ダンサーが、
世界の社交ダンス界を制することが出来たのは
「内股」という強み...だとも言えるし、
「スリップバックで、内股にすれば勝てる」
ということに最後まで気がつかなかった、
イギリス人の「おごり」や「油断」とも言える。
なんか、ファンタジーの世界だな。
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