社交ダンスに限らず、大切なのは、
「なにが正しいのか?」を追求する
ことではなく、
「その人の根底にある本質」を見抜く
こと...のような気がする。
一人一人に「その人の理」があり、
その「理」が築き上げられた根底には
「その人の"本質"」が存在する。
この本。書いた著者の「本質」が
わりと簡単に見えてくるので
すごく勉強になります。
で、特に、わかりやすいのが、この例
![ota123a.png](https://danceblog.miracle-dance.com/danceblog2022/archives/img/ota123a.png)
「左膝を持ち上げる」動作によって、
左足の向きが、大きく左に回転し(ほぼ90度?)
胸(みぞおち)が、激しく左に移動している
...ように見えます。
「ニーアップ」によって、
どのようにカラダの変化させれば、
円弧を描いた「タンゴウォーク」が出来るか?
ということに対する、断固たる「理」が存在し
それに対する、その人の「本質」が出てくる。
真似して見ればわかるけど、この絵では、
左膝の「ニーアップ」と同時に、
おそらく背骨を「回転の軸」として、
左胸が、ビューーーーッと左に動いている。
当然のことですが、著者には、
「これこそタンゴのウォーク」だという
必然の「理」があり、
その根底には、著者の「本質」がある。
じゃぁ、「著者の本質」は、何か???
これを見抜けるかどうかが、上達のヒント。
著者は、肩と肩甲骨回りの筋肉を使って
「筋肉の力で、両肘を真横に持ち上げる」
と言う方法で、ホールドを作っているはず。
そうすることで、膝を持ち上げた時、
左足の向きが、大きく左に回転して、
胸がぶぉぉっーーと左に動いて、
ボディ全体が回転する。
これが、「左回りの円弧を描く」という
タンゴウォークに対する「著者の理」。
ほんとうに、それが「本質」なのか?
検証のため、イギリス人と比較してみる。
![hil_tango_c.png](https://danceblog.miracle-dance.com/danceblog2022/archives/img/hil_tango_c.png)
イギリス人のマーカスヒルトンのように、
手首に引っ張られるようにして
両肘が、持ち上がってきて、
肘を曲げると、肘の位置がロックされる
・・・という方法をとった場合には、
左の膝を持ち上げても、
左足はほとんど回転しない。
これが、「世界を制した日本人」と
ヒルトンとの本質的な違い。
![ota998.png](https://danceblog.miracle-dance.com/danceblog2022/archives/img/ota998.png)
ここで、ものすごく重要なこと!!!
なぜ、日本人が、世界を制することが出来たのか?
西洋人には「スリップ・バック」させると
内股になる....という発想がない。
そもそも、ヒルトンのホールドでは、
どんな方法でスリップバックさせても
内股にはならない。
左足に巻き着くように、右足が下がる。
この著者を含めて、日本人ダンサーが、
世界の社交ダンス界を制することが出来たのは
「内股」という強み...だとも言えるし、
「スリップバックで、内股にすれば勝てる」
ということに最後まで気がつかなかった、
イギリス人の「おごり」や「油断」とも言える。
なんか、ファンタジーの世界だな。
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