久々に「プロ教師に伝えたいこと」のカテゴリーで書いてみます。
社交ダンスでは、「足を揃える」という「日本語の単語」が、頻繁に使われているように思います。
多くの人は、大抵、この言葉に「嵌まる」。
この言葉のドツボに嵌まると、抜けられなくなる。
人間の足は2本なので、「足を揃えろ」は
「左足と右足を、揃えなさい!」という意味になる。
「脱ぎ散らかした靴を、揃えなさい」なら、
左右の靴をぴったりくっつけてやればOK。
靴は、筋肉も意志もなく、自分で動かない。
だから「靴」であれば、単純に、
「揃えろ!」=「くっつけろ!」という意味。
でも、人間の足は、そうじゃない。
だけど、プロ教師が教える日本の社交ダンスでは
「両足を揃える=両足を閉じる=close」
という意味で使われることが、多いように思う。
「揃えろ」は 「goo辞書」を見ると、
1 二つ以上のものの、形・大きさなどを同じにする。
「ひもの長さを―・える」「彼とセーターの柄を―・える」
2 (二つ一組みのものなどを)きちっと整った状態にする。整然と並べる。
「脱いだ履物を―・える」「両手をひざの上に―・える」
3 全体を一つにまとめる。調和させる。
「口を―・えて反対する」「色調を―・える」
4 必要なもの、あるべきものを集める。欠けたところがないようにする。
「スタッフを―・える」「機材を―・える」「耳を―・えて借金を返す」
となっている。
なので、「両足を揃えろ」という日本語は、
「左足と右足は、同じ筋肉の使い方をしなさい」
「左足と右足は、左右対称にして立ちなさい」
という意味になるはず。
実際、両足を左右対称にすれば、
「左足と右足は、ぴったしくっつく」けど、
だからと言って、
左足と右足は、ぴったしくっつける方法は
「左右対称な足の使い方」とは限らない。
教える側が「しっかり足を揃えろ!」
とか、「足が揃って無いヤツは、失格だ」
とか、そんな指導をしていたとしても、
習う側は、
「両足で、同じような足の使い方をしなさい」
という意味で受け取ってはいけない。
日本語の「揃える」の意味に従って、
「左右対称を意識して、確実に、両足を揃える」
つまり、
「左右の足で、同じ筋肉の使い方」をすれば、
確かに両足は「ぴったり、くっつく」けどね。
(くっついてしまうこそ、ドツボに嵌まる)
タンゴに、「クローズド・プロムナード」
というのがある。(SQQSかな)
プロムナード(英語読みはプロミナードかな)
は、「散歩道」とか「散歩」という意味。
始まりと終わりは、「クローズ(ド)」です。
クローズド・プロムナードの
始まりと終わりは、クローズ(ド)です。
【A】~【D】のどれかです。
両足を揃えている【S】で始まるのも
両足を揃えた【S】で終わるのも、正しくない。
明らかに
「クローズ」と「両足を揃える」は違う!
少なくとも、床に片方の踵(ヒール)がついているときに
「クローズ」を「両足を揃える」という意味に受け取ると、
ドツボに嵌まる。
「両足を揃える」は、「両足は同じ使い方」と言う意味だし
「両足で同じ使い方」をすれば、「両足が揃う」けど、
クローズド・プロムナードは、そうじゃない。
両足は、確実に「クローズ」するべきだけど
その時、両足を「揃えて立つ」と、叱られます。
踵が床に突いているときは「クローズ≠揃える」です。
マジメなヤツほど、ドツボに嵌まりやすいので要注意。
・・・・と。
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