先日、肥田春充は丹田の達人の動画を探していたら、まったく別の下の動画が出てきた。
肥田春充は。。。まぁいいや!
今回、紹介するのは「甲野善紀 カラダ革命」という動画・。再生回数57万回。
古武術の技術の「体験」、あるいは古武術の「さわりの部分の見学」みたいな動画。
笑いながらやってるので、「出来てもできなくても、ど~でもいい!」ってところがよいです。
面白い部分はいくつかあるけど、例えば「9分24秒」からの部分
「秘技 辰巳返し」とか、難しい言葉を使ってるけど、単純な動き。
全ての体重をかけて、「左手の手首」を抑え込んでもらって、相手を持ち上げれば合格!
普通に持ち上げても上がらない・・・・が、
手を持たれることを気にしないで、(この人を)背負ってる感じにすれば、持ち上がる。
ウソみたい・・・
そして、「武術の極意・・・木を見るな 森を見よ」という字幕が出てくる。
おぉぉおぉぉ!! なんかすごい!
「いろは」の「い」という以前の問題。「アロハ」の「ア」だったりする!
これのどこが、社交ダンス(スタンダード)に関係してくるのか??
社交ダンスでは、男性の左手と女性の右手で、コンタクトを取ってます。
女性の右手の指(親指を除く)は、「男性の手の甲」を押さえてる感じになります。
ある意味、「秘技 辰巳返し」と似ている部分があります。
体重50kgの女性ならば、その女性は、男性の右前方に立っていてますので、
男性がダンスを踊るときには、自分(男性)の右前方に 50kgの体重を感じるはず。
ところが、左腕と左手の指、そして左手の掌(てのひら)の筋肉の使い方によって
本来、右前方にいるはずの女性を、背中に背負ってるような感覚に変えることができます。
右前方にあるはずの女性の50kg体重が、「自分の左の背中の後方に移動する感覚」です。
女性という物体は「自分の右前方」にいるはずなのに、女性の体重は自分の背中にある。
このような感覚に変えることができます。
体感的には、自分の右前方(肝臓の前方)に体重10kg、自分の左後方(背中)に体重40kg。
というふうに、相手の女性の体重が分散する感じです。
この感覚を得られることができれば、社交ダンスの基礎は、根底から変わってきます。
一度、覚えたら、面白くて、やめられなくなります。
丹田から左肩を経由して左手の指先に向かう「気の流れ」をイメージすることを
カラダ全体に、「気の流れに沿った、インナーマッスルの伸縮」を起こしてやります。
そして、アウターマッスル(アタマで考えた通りに動く筋肉)を使って「気の流れを
横切る形」の力(インナーマッスルの動きに対して、直角に働く力)をかけてやります。
そうすると、
自分の右前方にいるはずの女性の体重を、自分の背中で感じるようになります。
甲野氏は、「古武術は『気』ではなく身体能力を鍛錬した技」と言ってるようですが、
「気の流れ」を意識せずに、同じことができれば、そっちのほうがすごいかな。
これをやると、当然、リード&フォローの常識が変わってきます。
「相手を抱きかかえて、相手の動きを変える」よりも「相手を背負って、相手の動きを変える」
ほうが、はるかに簡単ですからね。
日本の社交ダンスには、悲しいかな、このような概念は、存在しません。
そこには、「丹田」も「気」もインナーマッスルも、なにもない!
ただただ、おなかに重心を置いて、上半身を固めて、足の屈曲を使って
カラダ全体を前後左右に運んでいけばそれでいい。
そんなダンスに、どれだけの「奥深さ」を感じることができるだろうか?
武道・武術に、「奥深さ」とか「秘技」とか、そういうものが存在するならば、
社交ダンスにも、同様、もしくは、それを超える「テクニック」が存在するはずです。
日本のプロ教師は、そういう「一番、大切なこと」を、完全に忘れています。
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