昭和・平成・令和と続く「日本の社交ダンス」において、かたくなに守り続けられているのが「スウィング」に対する固定概念だろうと思われます。
「スウィングダンスにおける、スウィングに対する考え方」が、根本的なところから、イギリスWDC系や東欧WDSF系の踊りとは違っているように思います。
今回のダンサー裕美先生のyoubute動画は、
「日本のプロ教師が教える、日本人のスウィングの基本」とは何なのか?
を、明確に説明しています。
日本の社交ダンスでは
「支え足(軸足)の上にボディを置いた状態」で、レッグ・スウィングを行うのが基本。
スウィングを行うために、支え足(軸足)の真上付近で、ボディの減速・停止を行い、
支え足の上で、動く足をスウィングさせる。
スウィングが完了したら、ボディを加速させて次の足への体重移動を行う。
通常歩行よりも小さい歩幅ならば、ボディの加速減速は必要ありませんが、
歩幅が大きくなると、スウィングのための「減速・停止」が必要になります。
一方、欧州の社交ダンスでは
「ボディが、支え足の上を通過する長い時間」を使ってスウィングを行うのが基本
スウィング開始は、支え足(軸足)が床に着地する瞬間であり、
スウィングする足(動く足)が支え足の横を通過するときにボディは足の上に来る
そして、スウィング終了とほぼ同時に、支え足(軸足)は床から離れる。
歩幅が大きくても小さくても、ボディの減速動作は行われません。
むしろ、ボディを大きく滑らかに動かすため動作が、スウィングである...と。
これが、昭和・平成・令和と語り継がれている日本の社交ダンスと、
欧州の社交ダンスとの「スウィングダンス」に関しての根本的な違いです。
裕美先生の、ナチュラルターン(右足を支え足として左足のスウィングを行う)の
動きを見てみましょう。
5:28~6:08 片足を内旋させ、反対の足を外旋させながら、ボディを右足の上に運ぶ
6:08で一旦停止してみるとわかりますが、
スウィング開始時点では、ボディは右足(支え足)のヒールの上にあります。
6:08~7:05 骨盤を前傾から後傾に変えていくと、おへそが斜め上に向く。
そこから左足をスウィング。
スウィングする左の靴は円を描くように右にカーブしている。
7:05で一旦停止してみるとわかりますが、
スウィング終了時点は、ボディは右足(支え足)のボール上にあります。
なにげなく、動画のレクチャーを見ていると、あたかもボディを安定させながら、
大きく動いているように見えるかもしれません。 でも、それは錯覚です。
スウィング開始から、スウィング終了までに、ボディの重心は「靴の長さ(踵→爪先)」
の僅か20cmくらいしか、移動していないことがわかります。
それでいて、骨盤を前後に振ることで、スウィング直前に、おへそを後ろに引いて
スウィングが終わったら、相手に向かって、大きくおへそと男性器を突き出す。
この一連の動作に、なにか、違和感を感じませんか??
「根本的に、すべてのものが、間違っている!」と感じるのが、自然な感覚です。
7:05~7:20 スウィング終了時に、腰を下ろしてしゃがむことが出来ますよ!
背中に棒を担いだ姿勢で、両足を開いて立っているということですね。
7:20~7:25 片足内旋・片足外旋 を切り替えることで、ボディを左足の上へと
移動させる。
ここまでの動画での感想は、
スウィングを始める前に、「片足内旋・片足外旋」の原理で、ボディを急加速させて
支え足の真上まで、ボディを移動させ、
ボディを減速・停止させて、支え足の上でスウィングを行い、
スウィングが終わったら、片足内旋・片足外旋」の原理で、再度、ボディを急加速
させて、次の支え足の真上まで、ボディを移動させる
「これのどこがスウィングダンスなんだ」
「こんなスウィングなら、やらないほうがマシな踊りになるだろう!」
ということです。
日本の社交ダンス(プロ教師が教える社交ダンス)の基本は、
子供からお年寄りまで、初心者から高齢者まで、まったく同じ基礎で踊りましょう!
一人でも、理解出来ない人がいたら、理解出来ない動きは排除しましょう!
という前提で、作られています。
だから、こんな動きが、日本の「社交ダンスの基礎」になるんですね。
動きながら、足をスウィングさせるのは難しい。
だけど、支え足の上で、止まってから、足をスウィングさせるのなら、誰でも出来る。
だったら、「そのように教えましょう!」「スウィングするときは、一旦停止!」
これなら、子供からお年寄りまで、誰でも同じ動きができますね。
ワルツの滑らかな音楽の中で、「スウィングするときは、減速・徐行・一旦停止」
というルール(違反したら逮捕される)が作られたとしたら、どうなるでしょう?
カラダをカチンカチンに固めておいて、肩や腰・股関節を「ねじり倒す」「ひねり
倒す」「ひしゃげまくる」の連続で、姿勢が崩れないように保ち続ける必要があり
ます。
それを教えるのが、日本の社交ダンスのプロ教師であり、裕美先生の動画です。
でも、気づく人は気づくでしょう!
日本の社交ダンスの踊り方を、必死になって覚えなくても、社交ダンスは踊れる。
裕美先生の逆、つまり、欧州の人たちと同じ踊り方をすれば、踊れるのだ!
ボディを移動させながら、スウィングをするだけで、滑らかに踊れてしまうのだ!
・・・・ということを。
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