昭和・平成・令和と語り継がれている「日本固有の社交ダンス」と、
「現在、欧州で踊られている社交ダンス」のどこが、決定的に違っているのか?
答えを聞けば、ものすごく簡単です。
日本の社交ダンスのプロ教師は、腕を固定して、上半身をカチンカチンに固めた
姿勢で、姿勢を崩さずに動く方法?を、徹底的に教え込んでいるのに対し
欧州の社交ダンスは、カラダ全体を自由に動かせる姿勢で、カラダの動きを決めて、
徐々に肘の高さを、肩の高さまで持ち上げながら、同じ動きを再現させている。
なので、見かけは同じでも、日本の社交ダンスと、欧州の社交ダンスでは、
基礎となるべく筋肉の使い方は、まるっきり違っているはずです。
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裕美先生の、ナチュラルターンの「右足を支え足として左足のスウィングを行う」
部分の動画(上の動画)と、イギリス人(元世界チャンピオン、マーカス・ヒルトン)
の動きを比べてみると、「根本的に基礎が違う」ことは一目瞭然です。
![hil_nturn_b.jpg](https://danceblog.miracle-dance.com/dance2018/hil_nturn_b.jpg)
まずは、左腕と左足を同時に使った「足のスウィング」運動。
カラダの力を抜いて、左腕を前方に振り出しながら、左足を出していく。
物理的(力学的)には、左腕を前方に振り出すと、カラダ全体の重心が前方に
移るため倒れやすくなるはずなのですが、実際にやってみると安定します。
「前方に倒れたくない」という筋肉の動きが無意識に働くのと、「足を前に
出すのではなく、腕の下に足を出せばいい」という意識も働きます。
![hil_nturn_c.jpg](https://danceblog.miracle-dance.com/dance2018/hil_nturn_c.jpg)
次に、ナチュラルターンの回転動作。
左腕を前方に振り出すのと同時に、左足をスウィングさせます。
左足のスウィングは「すぐい上げるようにスウィングする」のではなく、
「斜め下(斜め前方、下方向)」に向かってスウィングすると、前方への足の
スウィングが、横へのスウィング(ラテラル・スウィング)に変わる」という原理。
社交ダンスの経験の有無に関わらず、ヒルトンの動きと同じ動きが可能です。
逆に、日本の社交ダンスの常識に凝り固まると、できなくなってまいます。
ナチュラルターンの回転、およびカラダの移動においては、
「ねじり倒す」「ひねり倒す」「ひしゃげまくる」という意識は全く不要です。
カラダの力を抜いて、ヒルトンのマネをすればいい。
これができたら、肘」の高さを、肩の高さまで持ち上げて、同じ動作をする。
![hil_nturn_j.jpg](https://danceblog.miracle-dance.com/dance2018/hil_nturn_j.jpg)
これは、左足のスウィングを行うための、カラダの動き(CBMとか言っているけど
日本のプロ教師が言うCBMとは全く異なるため、説明は省略)ですが、
左足の動きは、ボディが右足の真上に来たときではなく、右足が着地した時点から、
始まっていて、「ボディは左足と右足の中間にある」という前提を保ちながら、
そのボディの移動の中に、左足のスウィングの動きを組み込んでます。
本来の社交ダンスは、「腕を含めたカラダ全身を使った動き」であるはずですが、
日本の社交ダンスは「姿勢矯正器でカラダをカチンカチンに固める」という発想から
スタートしています。
そのため、「日本特有の、カラダを固めて背中に棒を担いだ姿勢で、
欧州の踊りと似たような踊りを踊るには、どうすれば良いか??」
というのが、日本の社交ダンスのレッスン(個人レッスン)の中心になっています。
なぜなら、それこそが「日本において『正しい社交ダンス』の踊り方」だからです。
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日本のプロ教師は、素人目にみても、欧州の踊りと全く異なる踊り方を、
「これこそが、本場、イギリス人踊りのカラダの使い方だ!」とか言って、
延々と、この先10年・20年と、教え続けていくのでしょうか?
それで、大勢の人が、社交ダンスに関心を持つと、考えているのでしょうか?
日本国内で社交ダンスを教えてるプロ教師は、誰一人として「疑問」を
持たないのは、なぜでしょうか?
あり得ないです。
日本の社交ダンスが、廃れていくのは、当然の結末です。
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