連載「社交ダンス 超!入門」シリーズを読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、「社交ダンス 超!入門 その18/靴と土踏まず(7)/○○ターン(回転動作)の原理」になります。
(人気ブログランキングに表示されるタイトル文字数の関係で、タイトルを省略しています)
社交ダンス(ワルツなど、スタンダード種目)には、「○○ターン」という回転動作がたくさんあります。
足の上で「クルクルまわる」というのではなく、「カーブを曲がる」感じ(人によっては「コーナーを攻める」といった方がしっくりくる?)の回転動作。
「靴を履いた足」を、まっすぐ前方に振り出しながら、カラダ全体に回転を掛けていく動作。
この回転動作の原理は、社交ダンス以外の人にも、役に立つことがあるような気がします。
日本人のプロの先生の多くは、
靴の紐をしっかり縛って、靴と足の裏を一体化させておいて
「膝を左右に回転させろ!」とか「太腿を左右に回転させて、足を内旋/外旋させろ」とか、
そんなふうに指導する先生が多いように思います。
ところが、外国人の中には、(多くの日本人のプロ教師とは)違う意見の人もいるようです。
ターンの時は、靴を回転させるのではなく、膝とか太腿を回転させるのでもなく、
「靴の中で足を回転させる」ことによってターンがうまれる。
たぶん、こんな感じだったと思うけど、こんなの、日本人のプロ教師から聞いたことがありません。
どうやったら、こんなことが出来るのか、推測してみましょう。
推測なので、簡単に、いってみましょう!
両足の、踝(くるぶし)に体重を乗せて、前足の土踏まずを引き上げてやると、
体重が掛かっていない前方の靴(前方に動く足)、どんどん前方に進んでいきます。
これは、靴の中で土踏まずを持ち上げる動作。靴と足の裏に空間を作ります。
じゃぁ、これに回転を掛けるにはどうすればいいか?
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ここからが、重要! 今回も、足ではなく、手に靴を履かせて説明します。
まずは、前方に進む足 から。
まっすぐに進んでいる靴の中で、土踏まずのアーチの形状を変化させていけばいい。
「靴底が曲がらない靴」を履いて、靴底と足の裏をくっつけたところから、土踏まずの中の「持ち上げる位置」を変化させてやれば、足が回転します。
靴に手を填め込んで、てのひらを斜めに折り曲げてやれば、手の進行方向が変わります。
靴を回転させようとすると、「手首を捻って回転させようとする」ので、靴をまっすぐ進ませるようにして、てのひらの形状を変化させてやれば、結果として靴の方向が変わります。
靴の代わりに、本をおいて、本を滑らせていけばわかります。
「てのひらの形状」を変えてやれば、結果として、本の向きも変わります。
意図的に本の向きを変えようとすると、手首を使ってしまうのでNG。
あくまで、本をまっすぐに進ませながら、てのひらを斜めに折りたたんでいきます。
これが、ナチュラルターンにおける、大きくスウィングを掛けて、大きく前方に進んでいく左足から派生するボディの回転動作。前方へのスウィングからラテラル・スウィングに......
あっ、この連載は、「まだダンスを始めていない人」向けの、連載だった!
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今度は、後ろ足。体重を支えている「支え足」の説明です。
ナチュラルターンの右回転では、「後方にある右足」になります。
ここでの動きは、「踝(くるぶし)に体重を掛けて、土踏まずを持ち上げる」ことを前提とします。
「足の母趾球の部分で、床を押す力(フット。プレッシャー)」を最大にするには「土踏まずを持ち上げる力を最大にして、踝(くるぶし)に集中して体重を掛けていけばいい」という考え方に基づいて説明しています。
「前方に動く左足」の踝(くるぶし)に体重を掛け、土踏まずのアーチを作っていくと、
反対の足、つまり「後方にある支え足、右足」にも踝に体重が掛かり、土踏まずのアーチが出来ます。
(こうすることで、大きく足を伸ばして、歩幅を大きくしても、倒れにくくなります)
「前方に動く左足」の土踏まずの形状を変化させると、「支え足の右足」の土踏まずの形状も変化します。
結果として、左右両足の向きが変化して、カラダ全体の向きが変わります。
足のかわりに、手で説明すると、原理は、簡単ですね。
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「靴の中で、土踏まずを持ち上げる」もしくは「靴の中で足を回転させる」という意識をもって、両方の土踏まずを変化させてやれば、両足の方向が変わるので、「内股ターン」にはなりません。
両足の向きはは、同じ向きを向いているか、少し外側に開いた状態を保てます。
靴と足を一体化させて、回転させようとすると、「スキーの初心者のボーゲンのような内股ターン」になってしまいます。
これ、覚えておくと、いざ、社交ダンスを始めたときに、必ず役に立ちます。
少なくとも、先生が教える「○○ターン」が、正しいかどうか、考えようとするはずです。
また、ここのターン(回転)の原理は
右に左に方向を変えながら、ひたすらグラウンドを走り回るスポーツ
においても、役に立つように思います。
こういうのは、社交ダンスの「○○ターン」だと思うから、変な先入観でピリピリした感じになります。
動きながら足の向きを変えるこの動きは、社交ダンスをやったことの無い人でも、出来るひとは簡単に出来ちゃうとおもいます。
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