社交ダンスの用語は、基本的に(英国の)英語である。
にも関わらず、たまに「漢字の用語」が紛れ込んでいる
そして、漢字の用語は、奇妙な固定概念が乱れ込んで「カオスな解釈」になってることが多い。
その中の一つが「中間バランス」という、訳のわからん「用語」。
「センター・バランス」もしくは「トライアングル・バランス」の和訳らしい。
トライアングルだったら、足を大きく開いて、「下半身を正三角形」にして立ってみればいい。
こんなのは、社交ダンスの経験の有無に関わらず、誰でも出来る。
【青】は、前足の踵(ヒール)を浮かしているので、中間バランスに見えないかもしれないけれど
靴のヒールの分だけ、踵を浮かしているので、3cmヒールのダンスシューズを履いたときに、靴の踵で床を踏んでいるように見えるはずです。
前後・両足の踝(くるぶし)に体重を掛けて、土踏まずを持ち上げることで、母趾球(ボール)の部分で床を押しています。
前後両足の、筋肉の使い方は、ほとんど同じであり、土踏まずのアーチの変化で、動きを作り出します。
【赤】の前足は、足首の後ろの側に体重を掛け、前足は靴の踵の後ろの角(点接触)で床を押しています。
【赤】の後ろ足は、足首の前側に体重を掛け、ダイレクトに母趾球(ボール)で床を押しています。
前足の土踏まずを持ち上げることで、前足のつま先を持ち上げ、後ろ足の土踏まずを持ち上げることで、後ろ足の踵を持ち上げてます。
前後両足の筋肉の使い方は、まるっきり異なります。
左右の足の筋肉を独立させて、バラバラに動かす訓練から、基礎が始まります。
どちらが、ほんとうの「センター・バランス」「トライアングル・バランス」だと思いますか?
おそらく、外国人のコーチャーの教える「センターバランスの意識の必要性」と
(昭和~平成にかけての)日本人プロ教師が教える「中間バランスの意識の必要性」では、
まるっきり、ちがっているはずです。
ほぼ、例外なく、日本のプロ教師は、【青】の中間バランスを、徹底して指導しているはずです。
なぜか?
日本のプロ教師は、
「ニーアップというのは、太腿(ふともも)を持ち上げて、進むことである」
という大前提で、社交ダンスの基礎を教えています。
太腿を持ち上げると、典型的な「片足バランス」になります。
太腿を持ち上げながら、大きく足を出すと、バランスを崩して、アタマから相手に突っ込みます。
そして、前足が着地したときには、体重のほとんどは、前足に掛かってしまいます。
それじゃダメですよ。
着地するときは、前足の踵から着地しなさい!
ほんの一瞬、前足と後ろ足の体重比が5:5になる瞬間に、命をかけなさい。
この瞬間こそが、『中間バランス」という、超!高等テクニックですよ・・・と。
単に、そういうことですね。
この大前提が崩壊すれば、「中間バランス」のレッスンも意味をなさなくなってくる。
多くの「社交ダンスの日本人プロ教師」の教えることが、矛盾だらけであることは、
陸上競技の「マック式スプリント・ドリル」で、簡単に論破できるはずです。
そもそも、太腿を持ち上げて、足を動かしたら、「正三角形の中間バランス」にたどり着けない。
正三角形の中間バランスになる手前で、バランスを崩してぶっ倒れるから・・・・
こんなの、やってみれば、わかる話。
少なくとも、最近のWDSF系のプロ教師は、このあたり、知ってるはず。
太腿を持ち上げて、足を動かしたのでは、WDSF系のダンスは踊れない。
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