「みにくいアヒルの子」という話しがある。
7羽の「アヒルの子」の集団に、仲間と違う子供が一羽。
「みにくいアヒル」と言われて、悲惨な毎日を暮らしていた。
ある日、集団を飛び出して、放浪。
冬が来て、そして、春が来る。
「みにくいアヒルの子」は、アヒルではなく、美しい白鳥だった。
素晴らしい話しだから、出来れば、繰り返し、みてほしい。
特に「プロ教師」と呼ばれる人は、100回くらい見て欲しい。
バレエの道に進んでいれば、大舞台の主役として「白鳥の湖」を踊るはずが、
社交ダンスの世界に迷い込んだために、毎回、先生にボロのカスの言われ、
「実力を発揮することもなく、劣等生として叱られながら、人生を終える」
・・・という悲惨な運命を辿る人もいるかもしれない。
実際、あり得る話・・・だと思います。
これ、いったい、どういうことなのか?
社交ダンスでは、
「足(つま先)の向き」と「カラダ(ヘソ)の向き」が異なる時が、多々あります。
「プロムナード・ポジション(PP)」がそうだし、
PPからの進む時は、足とカラダは違う向きだし、つま先の向きには進まない。
ワルツだと、PPからの「シャッセ from PP」や「ウィーブ」
タンゴだとPPからのプロムナードの4歩がそうだし、
タンゴウォークそのものが、左にカーブしていく。
日常生活における通常歩行は、つま先は正面を向いていて
ヘソも正面を向いている。 つま先とヘソの向きは同じ。
そして、進行方向は「前方」、つまりつま先の方向に進みます。
でも、社交ダンスは、そうじゃない!!!
で・・・・
「足の向き(進む方向)」と「カラダの方向」が違う場合、どうするか?
全盛期の社交ダンスの指導方法としては、
「膝と足首を、左右に回転させる」という方法で
全国統一されていたように思います。
膝を回転させれば、「足の向き(進む方向)」と違う方向に
カラダ(へそ)を向けたまま、進んでいくことができます。
ただ、集団の中には違う「足(脚)の使い方」をする人もいて
「足(つま先)と、膝を正面に向けたまま、
股関節を内旋・外旋させて、ヘソの向きを変える」
というのに慣れている人もいたはずです。
それが、全盛期の社交ダンス界における「醜いアヒルの子」だな。
タンゴのPP、およびPPからの4歩(プロムナード)は、
どのように、指導されてきたのか??? 一目瞭然です。
「カラダをひねる」と書かれていて、その際に
「膝を左右に回転させることで、PPを作っている」
ことが、はっきりわかります。
これが、お母さんアヒル(先生)と、6羽のアヒルの子(生徒)
そして、その集団に舞い込んだ、1羽の「醜いアヒルの子」
膝の力を抜いて、膝の向きを変えずに、股関節を使って
ボディを回転させようとする、ごく少数の生徒・・・かな。
ワルツなどの、スウィングダンスにおいてはどうなのか?
写真を見ればわかりますが、ズボンの膝と足首の間で
たくさんの「斜めのスジ」を作っていることがわかります。
「膝を左右に回転させる」ことによって、ボディを回転
させていることがわかります。
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なぜ、日本の社交ダンスは、
「股関節の内旋・外旋を使って、ボディの向きを変える」
という方法を全面否定して(これをやると叱られる)
「膝を左右に回転させて、ボディの向きを変える」
という方法に、こだわっている(いた)のか????
なぜ、「膝の回転」を使った踊り方が、社交ダンス全盛期において
多くのダンサーの心を釘つけにして、圧倒的な支持を集めたのか?
その理由を、見つけ出すのに、延々と試行錯誤を繰り返し、
10年以上の時間を要して、ようやく、その理由を見つけ出した
...かな? と思ってます。
後日、「全盛期のダンスの魅力」みたいなのを、書いていきます。
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