先生が正しいことを言ってても、
80%の生徒が、間違った解釈で覚えてしまい、
その生徒が、間違った解釈を、別の生徒に教える。
・・・こんなことは、よくある話。
日本の社交ダンスって、こんなのが、山ほどあるように思います。
なんか、いい例がないかと、探していたら、
つい、数日前にアップされた、谷堂先生の動画があった。
問題点に気がついていて、
視聴者に伝えたいという気持ちが最優先ならば
「視聴者が誤解しないように気をつけて動画を作る」
と思うんだけど、そうなってないところをみると。。。。
ワルツ。PPからランニングウィーブに入るところ。
男性は、右急カーブで女性の正面に回り込んで減速。
女性は、ポジションを変える。
この説明で、男性の右腕・右肘に、赤い旗を取り付け
女性は、赤い旗の先端に自分の右手(てのひら)を当てる
それでPP(プロムナードポジション)からスタート。
谷堂先生のレッスンは、100%正しいと思う。完璧!
だけど、動画を見て、正しく理解する人は、全体の何割か?
と考えていくと、かなり怪しい。
視聴者が理解出来ないのなら良いけど、間違って理解する
視聴者が80%とか90%で、間違った解釈をさらに、
日本中に広まっていったりしたら、面倒なことになる。
普通の自動車は、前輪の向きの調整で、方向を変える
フォークリフトは後輪の向きの調整、方向を変える。
同じようなナチュラル系の動きでも、両者は、
「まったく違った回転動作」になってしまう。
「舵」を取って方向を変える足が、前にあるのか、
後ろにあるのかで、カラダの動きが変わってしまう。
PP(プロムナードポジション)における、
「男性の右肘・女性の左肘を意識させる指導方法」は
この違いが、現れやすい典型だったりする。
男性ならば、
「(進行方向に対して、足が前、腕(右肘)が後ろ」
と捉えるか、それとも
「どんなポジションでも、腕(肘)が前、足が後ろ」
と捉えるかで、カラダの動きがまるっきり違ってきます。
人間の「向きを変えられるタイヤ(舵)」は、
床についている2本の足。
それが前輪の意識なのか、後輪の意識なのかで、
PP以降の「つま先の向き」や、下半身の使い方が
まるっきり変わってきます。
で・・・・
本とか動画で、いちばん気をつけるべきなのは、
「教える教師が、正しいことを言っているか?」
ではなく、
「読者や視聴者が、間違った理解をしないか?」
だと思います。
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この動画をみた、たくさんの「おじちゃん」が
単に「肘は後ろ」というキーワードだけで、
公民館パーティとか、サークルの時に
「よ~し、これ、おばちゃんに教えるぞ!」
とか、そんなのが、全国で展開しそうな気がします。
「肘が後ろ」という感覚を持つと、男性はドスンと
落ちたり、女性はつま先ツンツン立ちになったり、
独特な踊りなる傾向になるように思います。
習う側には、『誤解する権利』があります。
直感的で、無駄にエネルギーを消費する、
乱暴でドタバタした踊りは、勢いがあって、野性的。
「踊った!」という実感があるので、流行しやすい。
トップに立つと、底辺層が見えなくなってくるのかもしれない。
間違える視聴者は、なぜ間違えるのか、
間違える時に、どの部分で間違えるのか?
そういうのが、見えなくなってくるのかもしれない。
最悪なのは、
間違った固定概念が、底辺層を、支配していくこと。
同じ概念の人たちだけで、集団を作り、
集団と、違う考えの人を、つぎつぎと排除していく。
そういうのって、多いです。
日本の社交ダンス、こんなのが沢山あります。
先生と呼ばれる人は、もっと広い視野で、
もっと、社交ダンスを勉強して欲しいと思います。
どうでしょうか?
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