いままでの『「ロア=膝を曲げる」は錯覚?」』のまとめです。
今回は、クローズド・チェンジで説明します。
教科書の一番最初に出てくるフィガー。入門コースですね。
ワルツの音楽は3/3拍子。 3拍で3歩、進みます。
音楽に合わせて、「3歩で一つのユニット(単位)」を形成して
いるのがワルツなのだ...と覚えておけば、わかりやすいです。
クローズドチェンジには「前進~左横」と「前進~右横」があり、
3歩のユニット(単位)で説明すれば、
右足から始まる3歩(右・左・右)のユニット(単位)と、
左足から始まる3歩の(左・右・左)のユニット(単位)を、
交互に繰り返すと考えれば、わかりやすいと思います。
ここで、
一つのユニット(3歩で一単位)を踊っている間は、
カラダの筋肉の変化を最小限に抑える方向にカラダを使い、
左右の体重移動も極力避け、左右のバランスを保つ
とすれば、「ロア」の役割が見えてきます。
「一つのユニットの途中で、カラダを変化させない」ためには
「ユニットとユニットとのつなぎ目」で、カラダに大きな変化
を与えてやればいい・・・ということになります。
ユニットとユニットのつなぎ目は、音楽で言えば、3拍子の
小節のつなぎ目。カウントで言えば[3]から[1]への切り替わり。
ダンスの動きで言えば「ロア」のタイミングになります。
(ユニットのつなぎ目の)「ロア」で、どういう動作を行えば、
(ユニットの塊の)3歩を、最小限の筋肉の変化で踊れるのか?
そういうことを考えながら(見失わないようにして)、踊っていれば
だんだんと、「ロア」の重要性が見えてくると思います。
・・・・・ここまでで、異論を唱える人は、少ないと思います。
ところが、日本の社交ダンスでは、そうなっていないケースが多いんですね。
「一つのユニット」のド真ん中、カウントで言えば「1~2の間」。
ボディが浮き上がっていく(ライズの)タイミングで、
カラダ中のあらゆる筋肉を、最大限に変化させて、
左右のバランス感覚を、めいっぱい変化させているケースが多いように思います。
クローズド・チェンジでは、支え足に全体重を乗せて、
床を蹴っ飛ばして、横への移動するように教えたり、
ナチュラルターンでは、ボディの方向を掛けるとき、
意図的にカラダに「ねじれ」を加えたりして、
複雑なことを教えようとしているはずです。
これらの激しい筋肉の変化、左右のバランスの変化は、
すべて、カウント「1~2の間」で行われています。
「音楽の節目」で考えみても、これらはあまりに不自然です。
ユニットのつなぎ目である「ロア」の動作を行う際に、
カラダの筋肉に最大限変化を与えておいてから、
「カラダに変化を与えないように、3歩進んでいるうちに」
ロアの時に仕込んでおいたカラダの筋肉の変化が、
時間差で、少しづつ「溶ける」ように作用していく。
結果的に、ライズのタイミングで、ボディの向きが
変わったり、ボディの進行方向が変わったりする。
3歩進むために「カラダを、仕込みをする」のが、
「ロア」という動きの役割なのだ!
ロアで「仕込み」をしてるからこそ、ライズが
始まる頃から、カラダに変化が現れてくるのだ!
・・・・というのが、わたしの考えですね。
ターンの(回転する)タイミングになって、
「○○筋と○○筋と○○筋を使って、回転しなさい!」
とか、そんな教え方が流行ってるみたいだけど、
なんか、あまり好きになれないです。
・・・・というか、わたし自身、ついて行けない。
どうでしょうか?
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