今日は、(両足を揃えて)ライズしている姿勢からの
ナチュラルターンを想定して、ロアの役割を考えてみます。
高い位置から、ロアで一気に姿勢を低くして、
右足から始まるナチュラルターンの3歩。
いろんな先生が、いろんなイメージを使って、ロアの説明をしています。
一番わかりやすいのが「ロアは、ジェットコースターだ」という説明。
頂点まで上りつめたジェットコースターが、一気に急降下。
放物線上に敷かれたレールの上を、どんどん落ちていく。
レールはやがて水平になり、ジェットコースターは、
一番低い地点を、最大速度で通過する。
そして、最高速になった直後には、急カーブが待っている。
ナチュラルターンで言えば、
ライズで静止している「頂点」から
ヒュゥ~~っ!と急降下しなが加速し、
水平運動に変わって、ぶぉぉおぉ~っ!と進み
右急カーブを、ぐぉ~ぉ!ギギギっ!と曲がる
みたいな感じかな。
でも、このイメージだと、斜め下に向かって突っ込んで行くので
後退する相手を押し倒してしまうリスクがある。
そこで、違う説明をする先生もいる。
ロアというのは、まっすぐ下に降下して、
床が突き抜けるくらい、強い力で床を押す。
そして、床を押した力の反発力を使って
「支え足でカラダを前方に送り出す」。
どちらも、プロの先生の定番の「ロア」でしょう。
いろんなところで耳にする「ロア」の説明ですね。
いずれも、プロの先生の説明で共通しているのは、
ロアで姿勢を低くした後で、
「ボディ」と称する「肉の塊」を水平方向に加速させる
・・・・という指導になってること。
ロアの後の1歩先には、ターンと称する急カーブが待ってます。
「オレは前に進むのだ!」という意識で、
前方の急カーブに向かって、
ボディと称する肉の塊を、どんどん加速させていく。
そのために行うのが「ロア」だということになる。
なので、急カーブにさしかかったところで、
カラダを捻るか、カラダを傾けるか、内股にするか
なんらかの方法で、カーブを曲がろうとする
(=ターンで、ボディの方向を変えようとする)
日本の多くのプロの先生の指導を辿っていくと、
そこの辿り着くような気がする。
カーブを曲がる時、カーブを曲がる直前になって
はじめて、なんらかのアクションをしようとする。
その際、ボディという肉の塊は、勢いが付いている。
これが、ほとんどのプロの先生が教える社交ダンス
の、共通点だと思います。
ほんとうに、それでいいのでしょうか?
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じゃぁ、わたし(山象)は、どういう解釈をしているのか?
イメージ的には、
「ロアというのは、
たくさんある筋肉という名前の『ゴム』を巻く作業」
だという解釈を取ります。
『ゴム』でもいいし、「ぜんまいバネ」でもいい。
単純に言えば、
ロアで、カラダの左右にあるゴムを巻いておいて、
そこから少しずつ、ゴムを緩めていく感覚。
右側のゴムは少しづつ緩めていって、
左側のゴムを大きく緩めれば、
カラダは右に曲がっていって、ターンが出来る。
だから、ターンするときには、力はいらない。
ロアで、「筋肉という名前のゴムを巻く」作業なので
深く膝をまげる必要はない。
膝を少し緩める程度の方が、ゴムを巻く効果が高くなる。
ロアが終わったら、カラダの筋肉や、左右のバランスを
できるだけ変化させないようにして、「3歩」進んでいく。
ボディの左右での筋肉のゆるめ方を変えてやれば、自然に
ボディの向きが変わる。そしてボディ全体が浮き上がる。
長年、プロ教師から、反発を受けたり、無視されたりして
地域全体から、長年にわたって、干されてきたけど、
この方法でも、楽しく優雅なワルツは踊ることができます。
プロ教師が教える「ジェット・コースター」ワルツのほうが、
生徒の受けがいい。
だから、プロ教師が教える場所には、たくさん、生徒が集まって、
教室は、どんどん繁盛するだろうけど、それがすべてじゃ無い。
初心者受けするものが、すべて正しいとは限らない。
どうでしょうか?
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