新春スペシャルの特別企画「2018年の社交ダンス界を予想する」
Ballroom Fitness みらい 入門・考察編 で指摘している「事実」を元に、
2018年の社交ダンス界を変化を予想していきます。
今回、2回目は、将来を予想するために、「社交ダンスの歴史認識」の確認から。
社交ダンス(スタンダード種目)のホールドは、腕を持ち上げて、肘を固定して作ります。
そして、男女が向かい合って、●●ターンと呼ばれる、左右の回転運動を繰り返します。
社交ダンスでは、お互いの「右ボディ」でコンタクトをとることになりますが、
おもしろいことに、男女のボディコンタクトの取り方・・・言い方を変えれば、
右の脇腹(わきばら)の扱いによって、カラダの動き(腰の動き)が変わってきます。
男女のコンタクトを取ろうとして、右腰を前に出した姿勢でホールドを作ると、肩と腰は反発って、背中に「ねじれ」が生じる。
それに対し、右腰をカラダの中に押し込むと、肩と腰は同時に動くので、根本的に背中はねじれない。
両者の「腰」の動きが異なっていることは、小学生でも理解出来る(バレエとかやってれば、幼稚園児でも理解できるはず)
にも関わらず、社交ダンスのプロ教師免許を交付する団体(JBDFおよび全ダ連)は、この違いを断固として認めない。
社交ダンスの「プロ教師資格」は、「世界中の人間は、すべで同じ動きをする」という大前提で行われ、それを前提として
プロ教師の資格が交付されているために、30年~40年前からダンスを教えていたプロ教師の「カラダの動き」こそが、
「正しいカラダの動き」されているわけです。
30~40年前と言えば、youtube もない! ブルーレイもない! DVDもない! VHSもβ(ベータ)もない!
「動く教材」がまったく無い時代のプロ教師が教えた社交ダンスを、その生徒たちが先生となり、当時の社交ダンスを
「正しい社交ダンス」として一気に普及させたのが、現在21世紀の日本の社交ダンスの現状といえます。
(はっきり言って、これでは、若い人が入ってこないのは、当然ですね)
さらに、競技系の社交ダンスを中心として、「高度な社交ダンス」として、徹底指導してきたのがこれ・・・
「上半身をねじる動作」こそが、ダンスで多用される重要な動作であるという指導方法ですね。
肩を回転させたとき、腰が反発する人と、腰が連動する人がいるにも関わらず、社交ダンスのプロ教師は、断固としてこれを認めない。
そして、CBMという、わけのわからん英語を使うことによって、
暗示的に、社交ダンスの基本は「カラダをねじることをである」というのを、全国的に普及させたともいえます。
これにより、肩と腰が連動して「背中がねじれない」ホールドをつくる人は、社交ダンス界から排除され
「背中をねじる」テクニックに長けている人だけが、社交ダンス界を独占するようになってきた・・・・とも言えます。
興味深いのは
「上半身をねじる」ことを「ダンスでは絞ると言う」
と教えている点です。
この社交ダンスの常識とされているこの認識は、社交ダンスでは受け入れられても、
社交ダンス以外のダンスや、各種スポーツ、武道等では、到底受けいれられないような気がします。
肩と腰が反発するタイプであれば、
「肩の回転」イコール「腰の反発」イコール「上半身のねじれ」イコール「カラダの絞り」となります。
腰の反発を最大化させ、背中をねじればねじるほど、エネルギーが最大化します。
ところが、肩と腰が連動するタイプでは、基本的に上半身はねじれません。
「上半身のねじれ」は、肩と腰との連動が崩れたときのNGパターンになります。
「カラダの絞り」は、(なんらかの方法で)骨盤を固定して、肩を回転させたときの動きになります。
「ねじれ」はエネルギーが逃げますし、「絞り」はエネルギーが最大化しますので、「ねじれ」と「絞り」はまったく別物です。
両方を比較してみれば、「腰の動き」の違いは明白なのですが、社交ダンスのプロ教師は、比較をしようとしません。
教える側の人間が「人間のカラダの動きは、世界共通」だと思っているから、30秒でできるような比較すら、しようとしないのです。
ダンスを教える側の人間が「人間のカラダの動きは、世界共通だから、俺様のカラダの動きは絶対正しい!」と言い続け、
「自分と違うカラダの動き」を認めないことが、どれだけのリスクを生むか?
そのリスクがどれほど重大なものなのか。
2018年は、少しづつ、理解されてくる年になると思います。
2016年6月に、風俗営業法が改正され、社交ダンスは風俗営業法の規制から外れました。
これにより、決して「カラダの動きの違い」を認めようとしないJBDFや全ダ連に所属しなくても、社交ダンスを教えることが可能になったのですから。
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