youtube のダンサー裕美先生の「犬の後ろ足」の動画を、
もっと詳しく説明してほしいという要望があったので、要望にお応えして
子供や初心者にもわかるように、わかりやすく解説します。
社交ダンスを習うときは、「個人レッスン」で、先生と踊るのがベストです。
先生と踊るときには、「先生のカラダの動き」を理解する必要がある。
先生(女)と生徒(男)で、まったく違う動きをしてたら、レッスンにならない。
女先生と同じ動きをする生徒は、先生のボディに合わせて踊ることができるが
女先生と違う動きをする生徒は、手抜きをされて、いつまでたってもシャドーばかり。
『第57回 ライズは「犬」の後ろ足に学ぼう!!』ということで、
「ライズで足首を伸ばして踵を高く持ち上げる」動作を、犬の後ろ足に例えて
説明している。
今回の動画は「神回」。今まで誰も教えなかった「日本の社交ダンス」での
「女先生の動きの原点」を知るために、とても貴重な動画である。永久保存版!
人間の踵(ヒール)は床に突いていて、「床」と「足の裏」が並行。
犬の踵(ヒール)は高く持ち上がっていて、「床」と「足の裏」は垂直。
ライズは、犬のように、足の裏を垂直にすることである・・・と。
足首を伸ばして、足の裏を垂直に立てて、膝を前方に進めていくとき、
同時に、「ふくらはぎの小指側」と「足の裏の小指側」を後方に引く。
おそらく、この感覚を身に付けている人と、身に付けていない人がいる。
ハイヒール(ピンヒール)で大股で歩こうとすると、靴のヒールが邪魔を
して、着地の時にヒールだけに強い体重が掛かると、膝が勢いよく前方に
飛び出し、「膝カックン」でバランスを崩してしまう。
そこで、ハイヒールでの着地の際、「ふくらはぎの小指側を後方に引く」
動作を加えながら着地させるテクニックによって、体重をスムーズに、
足の指の上に移すことが出来るようになる。
もしかしたら、多くの男性が気づかない、ハイヒール歩行の基礎なのかもしれない。
「ふくらはぎの小指側を後方に引く」ことにより、膝が内側に向いた「内股」
での立ち方になり、足の親指に体重が集中する。(内股の棒様レッスンを参照)
「ふくらはぎの小指側を後方に引いた状態」で、親指に体重を集中させた時
のカラダの動きは、「親指と繋がっている経絡」に着目すればよい。
足の親指からの経絡(関連するツボとツボを結ぶ線)は、骨盤の内側、
大腰筋の近くを通って、左右の胸に繋がってます。
でも、この左右の経絡だけでは、安定した動きを得ることはできません。
なので「背骨に強靱な軸」を作り、「背骨の軸」「左胸のツボ」「右胸のツボ」
の3つを、左右にクルクル回転させることにより、動きを得ることが可能になり
ます。
カラダの回転は、経絡上になる「大腰筋の近くにあるツボ」を使えば、簡単ですね。
カラダの「ねじれ」「しぼり」を基本とする日本の社交ダンス原点だと言えます。
裕美先生が推奨している「ねじりパン」のホールドも、この原理そのものですね。
「背骨に強靱な軸」を作り、ふくらはぎの小指側を後方に引いて
足の親指に体重を集中させて、親指と繋がっている経絡を意識する。
「股関節の近くにあるツボ」によって、カラダに「ねじりパン」にして
「背骨・右胸・左胸」の3つを、左右に回転させて、男女を密着させる。
これこそが、日本の社交ダンスの原点であり、裕美先生の「棒様」レッスンの
基礎でもあり、故金沢正太先生が、死ぬまで追い求めていた最終到達点
なのだろうと思います。
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じゃぁ、ネコは??? 同じ4本足でも、話が変わってきます。
踵(ヒール)を持ち上げて、足の裏を垂直に立てたとしても、
ケツが持ち上がるだけで、進みもしなければ、立つこともできないでしょう。
踵の部分を、斜め後方に押し下げるようにすることで、
足の裏(つちふまず)が持ち上がり、ふとももが前方に進む。
結果的に、膝が伸びる・・・という感じでしょうか。
人間で言えば、梯子(はしご)を登っていくときに、
足の真ん中を梯子にかけて、踵(ヒール)を踏み込めば、
足の裏(土踏まず)と足全体の筋肉に変化が起きて、
結果的に、カラダが上に上がっていく。 それと同じ原理ですね。
足の裏から繋がっている経絡は、足の裏にある「湧泉」から背骨を繋がってる経絡と、
足の小指から、足の裏を経由して背骨の横(左右)に繋がっている経絡が存在する
ことがわかります。
これを使えば、最初に、足の真ん中(湧泉)で立ち、背骨上の経絡のツボを意識してから
足裏の小指側のツボを意識することにより、背骨の左右のツボが生きてきます。
意識を「背骨」から、「背骨の横」に変化させていけば、重心感覚が変化しますから
「体重を背骨から、腕に移していく(腕に体重を預ける)」感覚が得られます。
この場合、回転ではなく、重心感覚の移動によって、背中の向きが変化していきます。
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裕美先生が引用している「アナトミー・トレインの足の裏の図」から、
裕美先生は「犬の後ろ足」という結論を導きだしています。
しかしながら、アナトミー・トレインの理論から「ネコの後ろ足」の結論を
導き出すことも可能です。
足の裏に体重が乗るのは「足裏の親指側」だけど、カラダをコントロールする
のは「足裏の小指側」です。
足の裏とふくらはぎの小指側を後ろに引くことにより、すべてを「足の親指に
集中させるのでははなく、体重を支えるのは親指側、カラダのコントロールは
小指側にするのが、アナトミー・トレインの本当の趣旨であるように、わたし
は思います。
東洋医学の経穴(ツボ)・経絡で考えた方が、わかりやすいような気がします。
少なくとも、異なる2つの動きを、比較しやすいですね。
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