今回は、CBM(Contrary Body Movement)についての本編です。
「子供からお年寄りまで、初心者からチャンピオンまで、共通の基礎で踊りましょう!」
というのが日本の社交ダンスのプロ教師が教える指導方法。
なので、正しい踊りをしている人なら
「子供からお年寄りまで、多くの人が、自分はCBMを使っている」
と信じ込んでいるのが、日本の社交ダンス界の実情。
信じる者は救われる! ほんとうに、そうなのでしょうか?
CBMという動きの絶対条件は、
「腰から上のボディ(腰と肩)を同じ方向に回転させること」
ということです。
肩だけを回転させるのはNG、肩と腰を逆方向に回転するのもNG。
言い換えれば
背中に「ねじれ」や「しぼり」を作ったら、それはCBMではない!
ということになります。
人間のカラダは、胸椎12番を境にして、上(胸椎側)と下(腰椎側)で、
逆方向に回転しやすくなってます。
片方の足を出そうとしたとき、あるいは、カラダの向きを変えようとするとき、、
腰と肩を逆方向に回転させたり、腰を動かないように固めて肩だけを回転させたり
することが多いです。
日本のプロ教師の多くは、「ねじる」「しぼる」ことが「CBM」だと教えてます。
しかしながら、「ねじらない」「しぼらない」のが「CBM」なのです。
なぜ、日本のプロ教師は、明らかに間違っていることを教えるのでしょうか?
肩(背中)に棒を担ぐことで、肩甲骨が左右に回転しやすくしておきます。
これで、丹田からの気(勁)の流れが完全に「遮断」されます。
丹田(おなか)に「重い塊」を作り、後ろ足の上にカラダを起きます。
ここから、右足を持ち上げて、右足を遠く(前方へ)伸ばしていくと、
左の肩が前に出て、肩甲骨に回転が掛かります。
背中に棒を置いておけば、棒は回転するはずです。(カラダの回転が始まる)
このとき、右足を前に出すと、右腰も同時に前に出て行くので、
「左腕・左肩・左肩甲骨」と「右腰・右骨盤・右足」が同時に前に出る
ことになります。
こんな動きは、CBMでもなんでもない(CBM指定の場所で、これを
やったら即!失格レベルの間違い)のはずなのですが、
「日本においては、これこそがCBMの模範演技」みたいになっています。
なぜでしょうか?
「子供からお年寄りまで、初心者からチャンピオンまで、共通の基礎で踊りましょう!」
という方針のもとに、誰もができる、初心者の動きの中から、
「CBM」に似た動きを見つけて、CBMと呼んで指導すれば、みんなが喜ぶ!!!
生徒がたくさん集まってきて、儲かりまっせ!! ってことでしょう。
「丹田からの気(勁)の流れ」という概念を使えば、「ねじらない」CBMは簡単です。
ただし、日本国内におけるCBMは「ねじること」なので、全面否定されます。
言うまでも無く、この方法では「絶対に、日本のプロ教師の試験」は、合格しません!
4本の手足に「気(勁)の流れ」を作っておいてから、前腕(肘~手首)とふくらはぎ
(膝~足首)に「気(勁)の流れに直角な力」を加えてやります。
CBMを掛けて、右足を前方に進める(左肩と左腰が前に出る)のであれば、
左腕前腕に左前方の力、右腕前腕に右前方への力
支え足の左足ふくらはぎに後方への力、動く足の左足ふくらはぎに前方への力
をそれぞれ加えてやればいいことになります。
腕の力(あくまで、気(勁)に対し直角の力であって、むやみに押したり引いたりする
のは厳禁)は、相手に掛けてもらえばよいですし、感覚を覚えてしまえば自分で操作
できます。
足は、爪先を外向きにつけてから踵を踏み込んでやれば、「気(勁)の流れに直角な、
後ろ向きの力」が働いて、しかも、爪先の向きが正面を向きます。
日本の社交ダンスは、「初心者には、気(勁)の流れを理解出来ないであろう」という
ことで「気(勁)の流れ」という概念は、使ってはいけないことになってます。
初心者の男女が踊るカルチャーセンターの入門コースで、気(勁)の流れなんて、教える
はずが無い。
カルチャーセンターの合気道の入門コースで、「合気の極意」なんて教えないだろうし
カルチャーセンターの太極拳の入門コースで、「勁道や勁力」なんて教えないはず。
それと同じだと思います。 楽しければ、それでよいのだから。
それでは、Dance Zone の 裕美先生の動画をみてみましょう。
CBMとは、
「前方または後方に動いている足の方向に
カラダの反対側が先行する動作で、
通常回転やカーブを起こすときに用いられる」
と言ってます。(JBDFの本に書いてある表記)
「脚部(足)は股関節から下」という説明をしていて
「(ねじらずに)腰から上を動かす」動作をしています。
「しぼりでは無い」と言って、「左肩・左腰と、右足」を同時に動かしてますね。
この部分に関しては、「CBMの定義と一致する」と思います。
ただし・・・・
説明(4分あたり)では、右足を前に出して、右足の上にカラダを移動させながら
左肩・左腰・左骨盤を、前方に押し出しています。
裕美先生の動きは「CBMの動きとは、まったく異なる動き」だと思います。
どうでしょうか?
CBMの本来の動きは、「左肩・左腰が、前に出る動作によるカラダの変化に
よって、右足が前方に進んでいく」動作(左肩が先、右足が後)だからです。
気(勁)の流れを作らずに、気(勁)の流れを遮断した状態で、「左肩と左腰」を
前方に出そうとすれば、(もしくは、肩甲骨に回転をかけようとすれば)
カラダが前方にぶっ倒れてしまうか、胸椎12番で肩と腰がねじれてしまって、
右足をスムーズに出すことが出来なくなってしまいます。
日本の社交ダンスは、「肘を張って気(勁)の流れを遮断するホールド」を基本
としてますから、鳩尾(みぞおち)より上をボディ、鳩尾ら下が足だという
解釈をするほうがスマートであり、
「左肩を前に出すことで、右足が前に出てくる」というCBMの動きからすれば
「CBMは、左肩と右腰・右足を同時にだして、カラダを捻る」という指導方法
の方が理にかなっている思います。(本来のCBMとは矛盾が生じるのは承知の上で)
教本の趣旨は、「股関節から下が足」だとしても、それで、足が出せないならば
教本の趣旨をねじ曲げて、「鳩尾から下が足」だとして教えればよいわけです。
そうすれば、肩を出す動きを利用して、足を出すことができます。
はっきり言えることは、裕美先生は、「日本の社交ダンスにおけるCBMの解釈」
に関して、なにもわかってないように感じます。
社交ダンスのダンサーには、いろんな解釈をする人がいるのですから、もっと、
広い視野をもって、指導をしてほしいなぁ。。。。とか思ったりします。
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