今回は、「歩き方」についてのまとめ
テーマは、「幽霊の歩き方」と「人間の歩き方」
日本の「社交ダンスの歴史」は、「幽霊の歩き方」だと罵倒されている
日本人プロダンサーが、「人間の歩き方」になろうとして、
見よう見まねで西洋人の真似をするドタバタ劇の歴史なのかもしれない。
2016年12月に発売された
知らないと踊れない ボールルームダンス解剖学(スタンダード編)/大田英光(著)
によると、日本人の歩き方は「幽霊の歩き方」といわれている・・・・のだそうです。
どうにも賛同しがたい部分がたくさんあるので、コメントしていきます。

日本人の歩き方のイメージは
「裸足で、膝を緩めて、踵を持ち上げずに、畳の上を静かに歩く」
姿を思い浮かべると、わかりやすいように思います。
人間以外の動物が、膝より後ろに股関節があります。
拇指球~膝~股関節が一直線に並ぶのは、人間だけです。
膝を曲げて、両足の足の裏を水平にして歩く場合、体重は両足に分散します。
「前進する前足を推進力にして歩く」のは踵のある高いを履いた時に、
カラダが前方に突っ込んでる状態のように思います。

矢印の左側と右側で、カラダの移動がないのは、なぜだかわからないのですが、
両方ベタ足で、中間より若干後方にカラダがある状態で、後ろ足で床を蹴り
出してもカラダは進みません。
毎日毎日、「畳の床」を蹴っ飛ばして歩いていたら、畳がボロボロになります。
床を蹴らないから、足裏で床を引きずる感じになるんですよね。
裸足での歩行では、足の裏は水平になります。
足の裏が水平であることに慣れている人が、踵のある靴を履くと、爪先に
体重が乗り込んでしまい、足が痛くなります。(外反母趾にも注意)
大腿四頭筋が働いて動きを止めるのは、膝が足首よりも前に倒れて、
爪先に体重が乗った時点だろうと思います。
(太田先生の説明の写真の動きには、到底、賛同できません)

写真のモデルが西洋人であって、これこそが「西洋人が実演する西洋人の歩き方」
だと言われれば、納得するしかないのですが、写真のモデルは日本人っぽいですね。
「大腰筋を使う」というのは、「大腰筋を伸ばす」ことを言っているのか
「大腰筋を縮める」ことを言ってるのか、判断できないのですが、
この写真を見る限り、靴の踵の部分を踏みつけて、大腰筋をビンビンに伸ばして
いるように見えます。
これって、ほんとうに西洋人の歩き方なのでしょうか?

実際に、社交ダンスを踊っていると、真ん中のようなNGパターンで
動きを止めてしまう人は、たくさんいます。
動きが完全に止める直前で、アタマから突っ込んでいくか、床を蹴っ飛ばして
カラダを前方に押し出すか。
これはこれで楽しいんだろうけど、これがNGだとすると、どうやってNGを
回避させるか。。。ってことになってくる。
左の方法でもNGを回避できるし、右の方法でもNGを回避できる。
生徒に教える時は、両方の方法を説明(先生が両方の方法を実演して)
どちらがいいか、生徒に選ばせればいい。
でも、日本の多くのプロ教師は、そんなことをしない。
これこそが「西洋人の歩き方」だと思ったら、その方法だけを追求する。
日本人は「幽霊の歩き方」、西洋人は「人間の歩き方」
「人間になりたい!」と言う思いが先走ると、周囲が見えなくなってくる。
日本の社交ダンスの歴史は、「必死に西洋人の真似をする日本人の歴史」
なのかもしれない。
追伸:
次回は、ホールドの作り方について
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