今日は、ダンスの基礎、以前の問題。
簡単な頭の体操です。
「純粋な右利き」と「純粋な左利き」そして「左利きだけど右利きに矯正された人」の違い、
社交ダンスで、違いが出てくると思いますか?
それとも、見かけ上、同じホールドなら、「右利きでも左利きでも同じ動き」だと思いますか?
これを考えてみましょう。
社交ダンスの右手の男性のホールドを想定して、
「右手の指を、へその前において、回転を伴いながら、前後左右に動き回る」
場合の右手の動きに着目してみると、結論が見えてきます。
右腕の筋肉は、微妙に変化します。 力を抜くと、右腕はグラグラしてしまいます。
また、回転の時(特にリバース系)は、右腕が動けば、ボディ全体が動きます。
このとき、いわゆる「丹田(へその下)」からの力の流れが、どのように、右手の指に伝わるか?
右利きの人は、「丹田→右肩甲骨(右の背中)→右腕」という力の流れになるはずです。
左利きの人も、同じだと思いますか?
右利きと左利きは、同じじゃ無いです。
(矯正されてない純粋な)左利きの人は「丹田→左腕の上腕→右腕」という力の流れで、右腕を
操作する場合が多いのではないかと思います。(少なくとも、わたしはそうです)
右腕を動かそうとするときには、まず左腕が反応して、そのあとで右腕が動く。
右腕を動かすときでも、右の肩甲骨や右の背中は、あまり動かない。
社交ダンスを踊るとき、どちらの伝達系で踊るが、有利だと思いますか?
(A)丹田→右の背中・右肩甲骨→右腕→右手の指 (左手は反応しない)
(B)丹田→左手の上腕→右腕→右手の指 (右の肩甲骨は反応しない)
「どちらが有利なのか」という議論をせずに、
(A)のタイプの人だけが集まって、理想を追い求めていても、結論なんか見えてこない。
理想を求めるのであれば、(A)と(B)の両方を比較する必要があります。
ソロダンスならば、丹田のエネルギーを直接、右腕に伝えた方が、有利でしょう。
左腕を経由して、右腕を動かせば、タイムラグが生じますし、無駄な動きが生じます。
ところが、ペアダンスである社交ダンスでは、話が変わってきます。
男性(リーダー側)の丹田のエネルギーが、一旦、男性の左腕上腕に伝わり、
そこから右腕に伝わっていきます。
それと同時に、左グリップ経由で、相手(女性)の右グリップにも伝わります。
なので、「丹田~左腕経由~右腕」という力の伝達は、まったく無駄が無く、
合理的だと言えます。
「狭い固定概念」に囚われていると、重要なことを見落としてしまいます。
「右腕を動かしたいなら、左腕を、ほんの少し変化させればいい」という発想を
思いつくかどうか?
「右腕は、ボディ(胴体)で支えて、ボディを使って右腕を支えなければいけない」
という、使命感だけで、モノを考えてしまいがちです。
でも、そうじゃない。 右腕は、左腕を使って、コントロールすればいい!!!
追伸:
右の腹部に鎮座する「肝臓」という臓器は、スポンジみたいなもので、
「肝臓は、丹田からのエネルギーを伝えない」と考えれば、簡単です。
焼肉の「レバー」を食べたことのある人は、イメージがつかめると思います。
丹田のエネルギーを「肝臓を避けて」右腕に伝えるルートは2つ。
「丹田発、右肩甲骨(肝臓の後ろにある狭い部分)経由、右腕」
と
「丹田発、左上腕経由(遠回りだけど、筋肉がたくさんある)、右腕」
のどちらルートを選ぶかという二者択一になります。
|