最近、社交ダンスの雑誌とか、DVDのレクチャーを見ていると
「インナーマッスルを使ってホールドを作れ!」
「丹田(たんでん)を意識して踊れ!」
とか、そんなことを言う先生がいる。
じゃぁ「インナーマッスル」って何?って話になってくるわけだけど
「インナーマッスルをどのように使えば、きれいなホールドができるのか?」
「どのような概念をもてば、インナーマッスルが使えるようになるのか?」
という説明は、どこを探しても「無い」。
ただただ、ばく然と「インナーマッスルを使え!」と言っているだけ。
「使え!」と連呼するだけで、生徒が理解できると思っているのだろうか?
むしろ「使え!」と連呼する先生こそが、なにもわかっていない可能性がある。
ほんとうに理解している先生であれば、
「ここを、このように使え」という説明をするだろうし、
「ここを、このように使うのは、間違いです」というふうに、
生徒が間違ったインナーマッスルを含めた筋肉の使い方をしないように、
細心の注意を払うのが、良い先生だと言える。
日本の社交ダンスは、あきらかに、なにかが変です。
先生が「インナーマッスルを使って踊れ!」と連呼する。
生徒は、なんだか知らないけど「インナーマッスルを使った気分」になる。
ハイ・テンション(気分が舞い上がった感じ)で「使った気分」になると、
満足感や、充実感で満たされ、「野性的な荒々しさ」が生まれてくる。
あたかも、その動きが「絶対的に正しい動き」であるような錯覚が生まれる。
「これは、すごい!」というわけで、周囲に広めたくなってくる。
それでいて、「インナーマッスルをどのように使えばいいの?」と質問には
いっさい答えない。
「100万円払うから、もっと、わかりやすいように説明してください!」
とお願いしてもインナーマッスルの本質を教えてもらうことはできないでしょう。
「インナーマッスルを使えばいいんだ!
つべこべいわずに、インナーマッスルを使って踊れ!」
みたいな感じ。 これがすべて。
根本的に、なにかが、おかしい。
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