大きく踊る、もしくは、ゆとりをもって踊るためのテクニックとして
日本国内(日本限定!)に伝えられている「送り足」と称する動き。
この高度なテクニックの「わかりやすい説明」を考えているのですが、
実際には、簡単なようで、めちゃくちゃ難しい。
なぜならば・・・
・英語には「送り足」に該当する単語は存在しません。
(英語の教本や参考書、外国人のレクチャーには、「送り足」は出てこない)
・「送り足」は、武道の足さばきの一つであって、正規のダンス用語とは違う。
じゃぁ、「送り足」とは、なんなのか? って話になってくる。
「日本のプロ教師」にも、2つの考え方があるので、「意見を言うことはタブー」
になってるはずです。
【A】支え足を使って、カラダ全体を前方に「送り出す」こと
【B】カラダ全体を使って、片方の足を前方に「送り出す」こと
まったく、異なった2つの動きが、「送り足」と称して、語り継がれてます。
武道でいう「送り足」は【B】ですが、社交ダンスでは「【A】が送り足」
と教えてるプロ教師が圧倒的に多いはずです。
【A】の考え方は、
片方の足を前に出すと、カラダはバランスを崩して前に倒れようとする
のだから、支え足(後ろ足)でカラダを前方に送り出す(相手に向かって
突っ込んでいく)ようにすれば、大きく踊れますよ!
【B】の考え方は、
カラダが前に倒れないように、「カラダを後ろに引き込む」ようにしながら
「片足で立てる、物理的なバランスの限界」を狙って、もう片方の足を少し
ずつ前方に伸ばしていくようにすると、大きく踊れますよ!
なので、同じ「プロ教師」の間でも、「送り足」の考え方が異なります。
ど~せ、倒れるのなら、足でお腹を押し出しなら、お腹から突っ込め!
なのか、
片足で立てるギリギリまで、バランスを保ちながら足を伸ばしていけ
なのか、指導方法の違いが、踊りの違いになってますね。
日本の社交ダンスは、
「子供から高齢者まで、初心者からチャンピオンまで、同じ基礎で教える」
「ひとりの落伍者も出さないように、高齢者にも出来る動きだけを教える」
という方針なので、
「片足で立てる限界で立つ練習をして、反対側の足を伸ばしていく」
なんてことは、やらない(教えない)ですね。
【A】と【B】、どっちが、大きく滑らかに、安定して踊れるか、
「片足で立つことが出来る物理的な限界」を知らない人と、知っている人。
どちらの踊りが美しく見えるか? 結果は見えてくると思うんだけど、
日本の社交ダンスでは「片足で立てる限界を知る」なんてのはタブーだからね。
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