今回は、ここまでの流れを軽くまとめて、今後の展開への道筋を作ります。
日本人の歩き方は、「幽霊の歩き方」だと言われている。
そう指摘しているのは、
2016年12月に発売された本
知らないと踊れない ボールルームダンス解剖学(スタンダード編)/大田英光(著)
だったら、「人間の歩き方」のお手本を見せろ! と言いたくなるわけですが、
これが、幽霊ではなく、人間の「正しい前進ウォークの方法」だそうです。
これを見て、「オレには一生マネできない、すばらしい歩き方だ!」と感動の涙を流す人もいれば
「違和感、満載!これじゃない!」と叫び出す人もいるんじゃないかと思います。
「靴底に弾力性がなく、ヒールのある靴」を履いたウォークにおいて
脚を前に出すときに、支え脚の「トォ・ウェイト」を強く意識していることと、
両足を開いて着地したところからの「靴のヒールに体重が掛かっている時間が長いこと」
このフットワークに対して「大絶賛」するか、「全否定」するか、意見が分かれると思います。
ほんとうに、幽霊ではない「人間の歩き方」というのは、こんな歩き方なのでしょうか?
違和感を感じる人の多くは、
「H(ヒール)→B(ボール)→T(トォ)の順番に足裏全体をローリングするように重心を移動させる」
というフットワークに関してだと思われます。
太田先生の「前進ウォーク」よりも、マーカス・ヒルトンの「ワルツのナチュラルターン」の方が、
自然な動きに見える・・・ということです。
・両足を開いている【23】の時点で、ヒールの体重がゼロになり、ボール・ウェイトになってます。
・右足のレッグ・スウィングは【23】で始まり【27】で終わります。
・レッグスウィングの振り子の最下点(振り子の糸が垂直)は【25】の位置。
(ワルツのスウィングは、斜め下に向かって行い、支え足を超えた位置がスウィングの中間点)
・ナチュラルターンの回転動作は【25】~【28】において行われる。
この一連の動きにおいて、「足の裏全体のローリング」という感覚で体重を「トォ」に移すと、
【24】で耐えられなくなって、【25】でカラダが前方へぶっ飛んでしまいますし、
支え足の体重を「トォ」に移してしまうと、ラテラル・スウィング(横へのスウィング)を
作り出すことが出来ません。
重要なのは、
支え足の上を、カラダを通過させる間、「ボール・ウェイト」を如何にしてキープするか?
それには、どの筋肉を、どのように使えばいいのか?
安易に、体重をボールからトォに移動させてはいけない。
言い方を変えるならば、トォへの体重移動を如何にして阻止して、ボールウェイトを守るか!
ナチュラルターンの「肝」の部分は、そのあたりだろうと思われます。
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