「社交ダンス」を知るためには(学ぶためには)、
社交ダンスにおける「足の裏の動き」、あるいは「土踏まずの動き」を知ることが重要になる。
(A)体重を乗せる足の土踏まずを、床に押し潰してから(フットプレッシャー)、
カラダを進める方向に、斜め方向に土踏まずを持ち上げる(いわゆる送り足)。
体重が掛からない方の土踏まずの動きは、意識しない(アウト・オブ・眼中!)
(B)体重の配分に関わらず、常に両足の土踏まずは、床から垂直に持ち上げる。
体重が乗っていない足の垂直を意識することと、垂直の精度を上げることが重要になる。
一般の垂直精度・上級の垂直精度・達人の垂直精度...この差を実感することが上達に繋がる
日本の社交ダンスは、
「子供から高齢者まで、まったく同じ基礎で踊りましょう!」
「初心者も練習しない人も、チャンピオンも、みんな仲良く踊りましょう!」
というのを前提に、「正しい社交ダンスの踊り方」というものが、定義されている。
だから、日本の社交ダンスは、(A)のフットワークが正しいことになる。
「団体レッスン」あるいは「サークル」と呼ばれる場所において、
なにも知らない、初心者の男性と女性でペアを組ませて、ひたすら「決められた足形」を練習させる。
先生は、生徒に手を触れることなく、口頭での指導のみを行う。
初心者同士でペアを組ませたとき、一人の落伍者も出さずに、全員が出来る動きこそが
「日本国内における、正しい社交ダンス」の大前提となる。
初心者同士でペアを組ませて、初心者同士で練習させるには、どうすればよいか?
初心者同士のペアに、ひたすら、決められた動きの「反復練習」をさせることである。
スタンダード(モダン)の基礎は、ワルツの「ボックス」。
片方の足の上に体重を乗せてから、ライズしながら横方向に移動して、真下に降りる。
ラテン(ラテン・アメリカン)の基礎は、ルンバウォーク
ヒップ(いわゆるケツ)を動かしながら、ひたすら「前進」「後退」の移動を行う。
この初心者同士のペアの「ボックス」「ルンバウォーク」の反復練習において、
「足の裏の動き」「土踏まずの動き」が、どうなっているか、考えてみるといい。
たぶん、初心者の大多数は、スタンダードもラテンも(A)になっているはず。
・・・・・で......
世の中というのは面白いもので、日本の常識とも言える上記の考え方とは、まった違った考え方も存在する。
スタンダードの基礎は、「ワルツのボックス」ではなく
スローフォックストロットの「フェザーステップ・スリーステップ」だという考え方。
これの男女入れ替わりバージョンが「リバースウェーブ」になります。
そして、ラテンの基礎は「前進後退のルンバウォーク」ではなく
クローズドホールドで踊る「ルンバのベーシックムーブメント」の横移動(カウント4~1)
これの元をたどれば、スクエアルンバだったりメレンゲだったり、そのあたりに行き着くらしい。
つまり、スタンダードの基礎が、左右移動(ボックス)なのか、前後移動(フェザー)なのか
ラテンの基礎が、前後移動(ウォーク)なのか、左右移動(ベーシックムーブメント)なのか
これによって、「足の裏の使い方」「土踏まずの使い方」が変わってきます。
「両方を知ってるプロ教師」と「片方だけしか知らないプロ教師」では、当然、教え方が違ってきます。
周囲を見渡せるプロ教師(いろんな知識を持って、違いを説明するプロ教師)と、
思い込んだら周囲が見えなくなるプロ教師(自分が習ってきたダンスだけを信じ込むプロ教師)
・・・どちらに習った生徒が、幸せになれるのか?
もしかしたら、「日本の社交ダンスを習わない」ことが、一番の幸せなのかもしれない。
|