日本の社交ダンスでは、「インナーマッスルを使え!」という指導が行われる。
しかしながら、「どのようにインナーマッスルを使えばよいのか?」ということが
教えられることは無い。
結果として、社交ダンスの「現場」では、とんでもないことが起こっている。

左の図は「インナーマッスルを使って、丹田から手足の指先に向かって、勁の流れを作る」
「気の流れ」あるいは「力の流れ」といった方が、イメージしやすいかもしれない。
右の図は「インナーマッスルを作って、丹田(お腹)に、鉄球のような塊を作る」
丹田(お腹)に自分の体重すべてと精神、すべてを集中させるというイメージになる。
太極拳を含めた武道・武術であれば、どちらかが勝って、どちらかが負ける、
もしくは、どちらかが「本物」で、どちらかが「ものまね」として評価される。
ところが、社交ダンスの場合は、男女が一緒に踊るので、
右の図の男性と、左の図の女性が、全力で踊ると、女性側が激しい腰痛に襲われて
「病院送り」になる可能性が高い。
踊り方を統一させずに、足形だけを教えるというのは、「非常に危険」なのである。
日本の社交ダンスは
「子供から高齢者まで、初心者からチャンピオンまで、
カルチャーセンターの入門コースも、トップクラスの個人レッスンまで、
すべての人が同じ基礎を使って、みんな平等に踊りましょう!」
みたいな感じになってます。
「高齢者向けの、初心者サークルだと、一人の落伍者もだしてはいけない。
難しい指導で、高齢者が辞めてしまったら、先生が無能という扱いになる」
それが日本の社交ダンス。
左の図の「勁の流れ(気の流れ、力の流れ)」は、理解出来る人と理解出来ない人がいる。
だったら、そんなものは、使ってない!
右の図は「お腹に力を入れる」方法ならば、子供から高齢者まで、すべての人が理解出来る。
だから、右の図のカラダの使い方が、「日本の社交ダンスの基礎」になっている。
理解できないのは、「競技会」というシステム。
難しいカラダの使い方を「出来る人」と「出来ない人」がいるならば、「出来る人」だけを
選び出して、戦わせればいい。
「難しいカラダの使い方は禁止です!」とか言って、「子供から高齢者まで、すべての人が
理解出来るカラダの使い方」だけで、競技選手同士を競わせるのが、日本の競技会。
だから、「激しく野性的で、フロアー全体を暴れ回るように動くカップル」が勝つ。
「他人の知らないテクニックを知っているカップル」は、マイナス評価になるのが現状。
日本の競技会の「ジャッジの評価基準」は、そういうふうになってる。
競技会の「ジャッジの基準」が変われば、競技会の順位なんて、簡単にひっくり返る。
「激しさ・荒々しさ」が評価され、「乱暴さによって、小さい歩幅でも大きく見える」
ような踊りが推奨されているうちは、日本の社交ダンスは変わらない・・・と思う。
優雅に、滑らかに、それでいて大きな歩幅のダンスの方が、いいと思うんだけどね。
悲しいかな、競技会のジャッジ(審査員)の先生は、それに気がつかない。
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