丹田から発せられる「気の流れ」あるいは「勁の流れ」という観点から、
前回紹介した、DANCE ZONE の 裕美先生の動画。
この中にある、スウィングバープロ(棒様)を使ったカラダの動きを詳しくみてみましょう。
日本の社交ダンスは、「気の流れ」「勁の流れ」を無効化させることから、スタートしていると考えて
よいかと思います。
実際にやってみると、わかりますが、
棒を背中に担いだ場合、「気の流れ」あるいは「勁の流れ」というものが、完全に消滅してしまいます。
あえて言えば、「合気を使ってはいけない合気道」「勁を使っていけない太極拳」みたいなものですね。
背中に棒を挟んだ場合の動きは、
カラダの向きを変えるためには、肩や肩甲骨の向きを左右に回転させればOK
カラダを動かすには、肩や肩甲骨を動かせばOK。足は肩甲骨と同じ方向に動きます。
この方法であれば「子供から高齢者まで、初心者からチャンピオンまで、まったく同じ
基礎で、みんな仲良く平等に、社交ダンスを楽しむ」ことができます。
競技会においても「気の流れ」「勁の流れ」を使ったヤツは失格にすればよいのです。
じゃぁ、「気の流れ」「勁の流れ」を使って、カラダの向きを変えるにはどうすればよいか?
まず、丹田から発する「気(合気道など)」もしくは「勁(陳式太極拳など)の流れを作ります。
丹田~掌(てのひら)への流れと、丹田~足の裏への流れを作ります。
正面にいる相手に向かって拳(こぶし)を出すイメージでOK。自然に、肘は持ち上がります。
そして、前腕(肘~手首)と、ふくらはぎ(膝~足首)に、「気(勁)に対して直角の力」を
加えてやると、カラダの向きが左右に変化します。
このとき、「カラダをねじる」のはNG。「肩甲骨を回転させる」のもNGです。
前腕やふくらはぎに、どういう力を加えると、カラダがどのように変化するのか?
「気」や「勁」を使って社交ダンスを踊るときには、その関連性を、覚える必要があります。
これは、社交ダンスの教本(ballroom tequnique)の作成に携わった
「ビル・アービン」の弟子が書いた本です、
この「ホールド:両腕は斜めに」を作るには、丹田から手の指先へのの気(勁)の流れを
意識するのが簡単だと思います。
「肩の筋肉を伸縮させて肘を持ち上げて、上腕を外旋させながら、肘を伸ばす」とか、
そんな面倒くさいことをしなくても、「腕に体重を預ける」感覚でOKですね。
ここ(丹田から指先に向かって気(勁)の流れを作り、両腕を斜め前に伸ばした姿勢)から、
カラダを左右に回転させるためには、前腕(肘~手首)に「なんらかの力」を加えればよく、
片方の足(動く足)を前に出すときには、支え足のふくらはぎに「なんらかの力」を加えればよいことになります。
この姿勢から肩(肩甲骨)を左右に回転刺せようとすれば、へそは逆方向に動いて
極めて不安定な姿勢になります(油断すると腰痛で病院行きになるので注意)し、
送り足(支え足でボディを送り出す)をやれば、思いっきり姿勢が崩れます。
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スウィングバープロ(棒様)を使ったレクチャーの動画は、
ぼくの読書感想文(ダンス動画編)>・・・>スウィングバーを使った動画
に集めてありますので、これを、全部見れば、
「日本のプロ教師が教える、日本の社交ダンスの大前提」
みたいなものが見えてくると思います。
裕美先生と「スウィングバープロ」の動きは、アービンの「両腕は斜め上」のホールド
からの発する動きとは、明らかに異なります、
裕美先生か、アービンの弟子か、どちらが、「違い」を説明すべきだと思います。
少なくとも。放置プレーは、良くないですね。
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