「社交ダンスを習いたい」と言う人は、習う前に、覚えておいても損はない。
「歩み足」は、「左足を前に出す、右足を前に出す、左足を前に出す」の繰り返し。
通常の歩行スタイルだと思えば良い。
「(武道・武術の)送り足」は、「左足を前に出す、右足を引き寄せる、左足を前に出す」
もしくは「右足を前に出す、左足を引き寄せる、右足を引き寄せる」の繰り返し。
この動きを、滑らかに行う。体重を変化させる際、カラダが前後にブレるのはNG
左右の送り足を交互にやると、「見かけ上」は「歩み足」と似たような動きになる。
「左足を前に出す、右足を引き寄せる、右足をそのまま前に出す、左足を引き寄せる」
という左右交互の送り足を繰り返す動きは、
単純に「左足を前に出す、右足を前に出す」という「歩み足(通常の歩行)」と、
外見上は同じに見えるかもしれませんが、フットワークやカラダの動きは異なります。
なので、「ここは、しっかりと送り足を使え!」というアドバイスを受けたら、
「歩み足(通常歩行)の概念を捨てない限り、うまくいかないよ!」と解釈すればいい。
ナチュラルターンにおける左足のレッグ・スウィング(振り子のように左足を動かす)
を行う際、「歩み足」と「送り足」では、根本的なカラダの動きが変わってくる。
「歩み足(通常の歩行)」を使ったナチュラルターンは、
右足を前に出してから、右足にしっかりと体重を乗せて、後方にある左足を
前に出そうとするタイミングで、左足のレッグ・スウィングを開始します。
「(武道・武術の)送り足」を使ったナチュラルターンは、
右足を前に出してから、右足の踵が床に着地し、後方にある左足を引き寄せ
始めるタイミング(体重は両足に分散)で左足のスウィングを開始します。
両者は、フットワークや体重配分が異なるだけでなく、ダンスの基本となるべき
「音楽の取り方」が根本的に異なってきます。
歩み足のナチュラルターンと、(武道・武術の)送り足のナチュラルターン。
両方やってみて「良い」と思う方を、練習して極めていけばいいですね。
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ここで、話をややっこしくしているのは、「(日本の社交ダンスにおける)送り足」
の定義です。
「歩み足のフットワークで(両足を揃えたところから)片方の足を遠くへ伸ばす」こと
あるいは、歩み足の際の「支え足」のことを、「送り足」と呼んでます。
簡単に言えば、日本の社交ダンスの「送り足」は、「歩み足」の一部なんですね。
社交ダンスのすべてのフィガー・すべてのステップを「歩み足のフットワーク」だけで
完結させようとするのが、「日本のプロ教師が教える社交ダンス(スタンダード種目)」
だと考えれば、「日本の社交ダンス」の本質が見えてくるように思います。
「武道・武術の送り足」の概念を使えば、カラダをねじらずにスムーズに動ける動作を
「歩み足」でやろうとするから、医学博士も知らないように筋肉の動きが必要になって
くる・・・みたいな感じかな。
これから社交ダンスを始めようとする人、あるいは「社交ダンスがうまく踊れない」人は
覚えておいて、損は無いと思います。
この知識、必ず、役に立ちますから。
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