今日は、家族八景・・・ではなく「ダンス八景」の二作目を書いてみることにする。
筒井康隆の七瀬三部作(知ってる人、いるかな?)みたいに、「他人の心の中を読める
主人公」を中心として、社交ダンスの世界を小説化すると面白そうだけど、だれか才能の
ある人。。。いないかな?
日本の社交ダンスは
「子供から高齢者まで同じ基礎で教える、初心者も上級者も同じ基礎で踊る」
そうすれば、みんな仲良く、平等にダンスを踊れて、爆発的にダンスが普及するだろう
・・・こういった、とんでもない「間違った方針」が、様々な悲劇を生み出している。
「現実は 小説よりも 奇なり」 第二作目 行ってみよう!!!
社交ダンス(スタンダード種目)で重要なのは、男女のボディコンタクト。
通常は、男性の右ボディと女性の右ボディで、ボディコンタクトを取る。
ルールは同じなので
「初心者も上級者も、個人レッスンの人も団体レッスンの人も、同じコンタクト」
であるかのように思われる。
ところが、現実には、さまざまな場所で、悲劇が繰り返される。
「お互いの右ボディをくっつけて、押し付けってコンタクトを取る」タイプと
「お互いの右ボディを僅かに離して、吸いつけあってコンタクトを取る」タイプが
存在する。
先生によって教え方が違う。
石川県で言えば、ボディを押し付ける指導を徹底させているのが○○先生で、
それを否定するのが××先生だな。
普段からボディを押し付ける指導を受けている人は、違和感を感じないけど
ボディを吸いつける指導を受けている教室の生徒は、フロアーから消えていく。
結局、ボディで相手を押して押して押しまくるタイプが、フロアーを制覇する。
どっちが正しいのか、「バトル」やればいいと思うんだけど、プロ教師なんて
カネがすべてだから、「シロウト受けのいい踊り方」を教えるわけだ。
さて、ここで問題です。
ワルツのウィングなのですが、正しい踊り方はどれか、わかりますか?
これ、3つとも「お互いのボディを押し付けあって、コンタクトをとる踊り方」です。
〔A〕は、男女とも右サイドのコンタクトを保持しつつ、女性が移動する場合
〔B〕は、男女の右サイドのコンタクトを外すために、女性を遠くへぶん投げた場合。
〔C〕は、ボディを押し合いながら、右サイドから左サイドにコンタクトを移す場合
です。
ウィングの最終形は「ウィング・ポジション」と言って、お互いが左サイドでボディ
コンタクトを取ることになります。
なので、「お互いのボディを押し付けあって、コンタクトをとる踊り方」であれば、
文句なしで〔C〕が正しいことになります。
だけど、イギリスの教師協会が出している教本(the ballroom tequnique)の表記は
〔C〕ではありません。 当然〔A〕でも〔B〕でもありません。
男性はスウェイ無し。スウェイがないので顔の向きは正面(PPから変化させない)
女性は左スウェイ、顔は左向き・・・ということになってます。
ボディを吸い寄せ合ってコンタクトを取るタイプの踊りであれば、
イギリスの教本どおりの踊り方になります。
右ボディ同士のコンタクトを維持しながら、左ボディのコンタクトを強くしていけば
教本通りの、男性はスウェイ無し、女性は左スウェイのきれいな動きが生まれてきます。
押し付けあうタイプのコンタクトでは、イギリスの教本通りの踊り方が出来ないので
「イギリスの教本は違っている」「教本よりも俺様の踊りが正しい」ということになる
のですが、踊り方を変えれば、イギリスの教本通りに踊れるのです。
日本の社交ダンスは、「初心者でも高齢者でも、誰でも踊れる踊り方」を基本として
ますから、男女のボディをグイグイ押し付けあって踊っていれば、先生から褒められる
わけです。 そんな踊り方をする人だけが、生き残ります。
そんな「日本の社交ダンス」の世界にいると、絶望感や孤立感から、ダンスをやめて
いく人は少なくないはずです。 合掌!
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