廣戸聡一氏の「4スタンス理論」は、調べていくと面白い。
自分と同じタイプの動きは、自分で体験できるけど、
自分と違うタイプの動きは、なんらかの方法で学ぶ必要がある。
自分が、競技会で勝つだけなら、自分のタイプの動きを極めればいい。
でも、他人に教える時には、それではダメ。
自分と違うタイプの人に教える時には、自分との違いを学ぶ必要がある。
悲しいかな、日本の「プロ教師」と称する人は、それが理解できていない。
昨日、紹介したダンスビュウの「しゃがむ」という要素
オリジナルは、おそらく、これ。

AとBは、軸の取り方が違う。
【A】は、お尻を後ろに突きだす。
【B】は、お尻をストンと落とす。
これだけをみると、まったく違う姿勢だけど、
この状態からさらに、
【A】は、お尻を後ろに出しつつ、膝を前方に倒していき
【B】は、お尻を、膝を斜め後方(下)に、落とし続ければ
どちらも、外見上は、同じような姿勢になってきます。

ダンスビュウのこの写真に戻ります。
さて、両方の「しゃがんだ立ち方」から、
どうやったら「前進」動作に繋げていくか?
社交ダンスにおいては、両者の「立ち方」によって
「ロアからの前進」の原理が、まるっきり違ってくる
・・・ということ。
【A】は、お尻を後方に突き出すのに合わせて
膝を前方に倒しながら、
腕の筋肉の変化で、カラダを垂直に起こしていけば
ボディは前方に進んでいく。
【B】は、お尻を斜め後方に落としていきながら
腕の筋肉の変化で、鳩尾(みぞおち)を持ち上げる
ようにすれば、ボディは前方に進んでいく
【A】と【B】は、しゃがんだ時の姿勢が違うんだから、
「ロアからの前進」の原理も違うし
その際の「腕の筋肉の使い方」も、当然違ってくる。
(腕の「内旋/外旋」に対する考え方が違ってきます)
だからこそ、自分とは違うタイプのプロ教師に習ったり
複数のタイプのプロ教師に掛け持ちして習ったりしても
上達しない可能性が高い...ってことになってくる。
このあたりのタイプの違いを、詳細に研究・分析してるのが、
「4スタンス理論」ということになるんだろうけど、
そういう違いを認めようとしないのが、日本のプロ教師だな。
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