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日本の社交ダンスにおける「送り足」について、第2段。
社交ダンスを教えている先生(主にプロ教師)で、「送り足」という言葉を、辞書で調べてみる
・・・というか、インターネットで調べてみたことのある先生は、どれくらいいるでしょうか?
三省堂 大辞林 第三版の解説 (出典:三省堂)
おくりあし【送り足】
1.相撲で、相手をつり上げたまま土俵の外にだすとき、踏み出した自分の足。この場合、負けとはならない。
2.剣道で、前足に後ろ足を引きつけながら進む足さばき。
3.貴人の前に物を持ってでる時の礼法。敷居ぎわで片足を上げ、前へは出ずにもとに戻し、改めて敷居を越えるもの。 〔貞丈雑記〕
人間は2本の足があって、「支え足」と「動く足」になります。
3例とも「送り足」に該当するのは、「動く足」です。
1は、相手を抱き抱えて、土俵の外に運んでいくとき外に出る足なので、「前方に動く足」ですね。
2は、すり足の足裁きで、右足を前に出す→左足を引き寄せる→右足を前に出す、なので「動く足」。
3は、片足を持ち上げる→足を降ろす→足を前に出す、なので、これも「前方に動く足」です。
おそらく江戸時代から「送り足」というのは、「動く足」をさしているハズ。
いくら、社交ダンスの歴史が古いと言っても、「社交ダンス」という言葉自体が、明治に入ってから。
どう考えても、「送り足」の言葉の由来は、相撲や剣道(剣術)が古く、社交ダンスは「後付け」。
日本の社交ダンスにおける「送り足」の意味は、
後ろ足である「支え足」を使って、カラダ全体を前方に送り出す動き。
あるいは単に、「支え足」は、英語の「サポーティングフット」である「支え足」。
のどちらかになります。
しかも英語のサポートやサポーティングには、日本語の「送る」という意味はありません。
毎日、生徒からお金をもらって、社交ダンスを教えている、「プロフェッショナル!なプロ教師」は、このことに、矛盾を感じたことは無いのでしょうか? なんか、おかしいな~って。
長年、社交ダンスを習っていて「先生は、間違ったことを教えているのではないか?」というと疑問を持った生徒は、いないのでしょうか?
「動く足」も「送り足」、支え足も「送り足」。あり得ないでしょ。
なんで、そうなるの?
この疑問を解くのは、とても簡単です。
両足を前後に開き、両足の踝(くるぶし)に体重を掛けて立ちます。
いわゆる中間バランス、英語で言えば「センターバランス」
聞くところによると、「トライアングル・バランス」とも言うらしい。
で、中間バランス、つまり両足に体重を「5対5」で掛けたままで、
「前足の土踏まずを7」「後ろ足の土踏まずを3」の比率で、両足の土踏まずを持ち上げます。
土踏まずを持ち上げるには、骨盤の中にあるインナーマッスル、
大腰筋(だいようきん)とか、腸腰筋(ちょうようきん)とか、そんな筋肉を使います。
「土踏まずを持ち上げる力は、後ろ足よりも前足の方が強い」ので、
結果的に、前足が床から浮き上がって、前足が静かに、前方に進んでいきます。
これが、社交ダンスにおける「送り足」の原理だと考えれば、よいかと思います。
「送り足」に限らず、社交ダンスの体重移動や基本的な足運びは、
「体重で床を押す、下方向の力」と「土踏まずを持ち上げる、上方向の力」の和(ベクトル的には反対方向)だと考えれば、自然に解けてきます。
じゃぁ、
日本のプロ教師が教える、いわゆる「日本の社交ダンス」の致命的な欠陥は、
「相反する方向の力のベクトルの総和」という発想を、まったく持っていない・・・ということです。
今回の「送り足」もそうですが、全般的に
「床が抜けるまで、土踏まずを押し潰して、足の裏全体で、床を踏み込みなさい」という指導方法こそが、社交ダンスの動きの解釈を根底からゆがめている原因だと思います。
例えば、「土踏まずは押し潰すモノである、土踏まずのアーチなど存在しないのだ!」と思い込んでいるプロ教師が、「土踏まずのアーチを使って、前足が床から離れて、どんどん前方に進んでいる」動きを見たとしても、「あの人は、後ろ足(支え足)を使って、カラダを前方に送り出しているんだな!」というふうにしか、見えないはずです。
なぜなら、そのプロ教師は「前足の土踏まずを持ち上げれば、前足が床から離れる」ということに気づかないからです。
結果的に、「前足の土踏まずのアーチを強くすれば、前足が進んでいく」という動きの仕組みを理解しようともせず、「送り足とは支え足を使って、カラダを前方に送り出すことが、送り足なのだ!」と解釈してしまう。
日本国内における「送り足=支え足を使った動作」だという解釈は、たぶん、そういうところから来ているように思います。
どうでしょうか?
「土踏まずのアーチ」を使った「送り足」の説明。理解していただけたでしょうか?
日本の社交ダンスのプロ教師には、こんな思考回路の人が多いような気がします。
オレ様は、社交ダンスのプロ教師である。
オレ様は、社交ダンスを踊ることが出来る。
だから、オレ様の社交ダンスは絶対に正しい。
もっというと、
オマエが飼っているネコは、4本足で歩く。
オレ様が飼っているイヌも、4本足で歩く。
だから、オマエの飼っているネコは、イヌである。
なにげなく聞けば「完璧!さすが先生!」と叫びたくなります。
でも、よくよく考えてみると、何かがへん。
どこかが、重要な部分が抜けている。どこかが、ズレてます。
だけど、「教える」側が、先入観に囚われてしまうと、ずれていることに気づかない。
日本のプロ教師の一番酷いのは、「筋肉は伸ばすモノ」という解釈だけど、
「送り足」の解釈のズレも、それと同じような気がする。
すくなくとも、武道をやっている人(子供も含む)には、通用しないはず。
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